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もくじ
『ワン・デイ 』プチ情報
アン・ハサウェイとジム・スタージェスのスーパー美男美女カップルの絡みが観ていて目の保養になります。エディンバラの旧市街が美しく撮影されているのも見どころです。肩肘張らない恋愛映画として軽く観ることができます☆彡
『ワン・デイ 』のあらすじ
真面目なエマ(アン・ハサウェイ)と遊び人気質のデクスター(ジム・スタージェス)は、1988年7月15日、エディンバラ大学の卒業式に出会った。その夜酔った勢いで一緒にベッドで添い寝したことをきっかけに友人関係となった。夫々の道を進むが、度々コンタクトを取り、毎年7月15日の二人を追う。エマは当初からデクスターに好意を持っていたがその気持ちを隠し、友人関係を続ける。一方、デクスターはテレビ業界で人気を博し、できちゃった結婚をする・・・。
『ワン・デイ 』予告編
出典元:Asmik Ace/Official Trailer
『ワン・デイ 』の作品情報/キャスト
原題 | One Day |
公開 | 2012 |
ジャンル | 恋愛 |
監督 | ロネ・シェルフィグ |
出演 | アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス |
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『ワン・デイ 』のレビュー・感想
以下は本作に対するmmの感想と考察です
主演2人を観る映画
正直な所、物語はそれ程作り込まれているわけではない。
アン・ハサウェイとジム・スタージェスのスーパー美男美女カップルの絡みが観ていて目の保養になるというのが本作の中心的な部分であり、それに尽きると言っていい。
ジム・スタージェスは遊び人のチャラ男という設定でもあり、最初からイケメン炸裂。一方のアン・ハサウェイは最初はメガネで冴えないイモ姉ちゃんだけど、人生経験を経てどんどん綺麗になっていくという。
でもそんじょそこらの垢抜けない女の子ではなく、アン・ハサウェイ。垢抜けない女の子になっているだけの美女。だから、美女になるのは当たり前。そして、美女がオタクっぽくなってもそれはそれで可愛いのは当然。ギャップ萌えを楽しむところである。
ジム・スタージェスのイケメンぶりとアン・ハサウェイの垢抜ない女子&美女ぶりが楽しめる、二人のプロモーションビデオ(PV)のような作品。
本作がPVになっているという理由は、デクスター(ジム・スタージェス)の人間性やエマの人間性に深く切り込んでいないから。そんな類の映画ではないと端っから降参している感はある。ルックスの良い二人が友人から始まって、色々人生経験を経てもつかず離れずやってきて、最後に結ばれる。
肩肘張らずに、美男美女を観ることを楽しむ映画と言えよう。
とはいえ、私は結構楽しみました。
ジム・スタージェスのルックスは大好きです。背が高く、地味でスッキリした男前。目鼻立ちが大きくなく押し出しという点では弱いかもしれないが、私はあんまり舞台映えするインパクトの強い大造りな顔だちよりは控えめな方が好きなので。
アン・ハサウェイは、垢抜けない女子時代もとても可愛い。元々、ラファエル前派、特にロセッティの絵画で描かれている美女のような美しいお顔だち。垢抜けない女の子時代を脱却して美女へと変貌を遂げて、イケメンジム・スタージェスに絡んでいくところが、益々面白くなる。
片想いはチャラ男のせい
そもそも友人関係から始まったのは、デクスターに理由がある。
彼がエマに女性としての興味を感じなかったから。デクスターがその気だったらとっとと恋人関係になっていた。デクスターにその気がないことを感じ取ったエマが先回りして「友人でいましょう」と宣言したから二人は友人から始まった。
2人の長い歴史の中で距離をもう一歩進めるチャンスが度々あった。でも、デクスターと友人関係をキープするエマ。それは、エマがデクスターの心がいまいちエマの元にはないというのを即座に感じ取っていたから。
なので、ずーっとエマの片想いというのが本当のところ。デクスターの気持ちがエマに振り向くのに23年間要したということだ。
エマはデクスターを愛してはいるものの、デクスターに遊ばれたくない、デクスターに自分という人間を愛してほしいという本能が働く。だから、デクスターを愛しているけれども、寂しいときだけ遊びで近寄ってくるのを瞬時に嗅ぎ取って距離を詰めようとしない。
エマはデクスターに振り向かれないことで苦悩し、一旦は愛するより愛される方が幸せという道を選択して、それ程愛していない男と同棲する。
しかし、それ程愛していない男との同棲は返ってエマにデクスターを求めさせる。やっぱり自分が愛していない男と一緒にいるのは辛い。
だめんずに惹かれる理由とは
エマは教養があるという設定である。エマは後に教師になり、詩人としても成功する。
エマとデクスターの性格は全く違うけれども、エマはデクスターに片想いし続ける。デクスターのような自由奔放で自己中心的、遊び人気質のだめんずにエマが惹かれるというのはどういうことか。
その理由はデクスターのルックスと、そのルックスでチャラい性格に寄るところが大きいのでは。単にチャラいだけではなく、デクスターの外見でチャラいというのがポイント。だから外見が恋心に大いに影響していると思う。
教養がある人間は人をルッキズムに犯されてはならない、というわけではない。それはその人の趣味趣向、自由であるから。
でも、エマのような聡明な女性も結局のところ誰しも見た目には弱いのよね、何だかんだ言って外見が一番でしょと大雑把に言われているようにも思えて、何とも納得いかずモヤモヤする。
恋愛対象として外見重視の人は五万といるし、人の趣味趣向としては良いのだけれども。
人が人に惹かれるのは外見が大いに影響するのは否定しない。控えめに見てもおよそ美男や美女でない外見と思える相手であっても、ある人にとっては最高の美男または美女に見えてそのために恋に落ちたというケースは多い。人のストライクゾーンは計り知れないのである。なので、人は、大部分、外見で恋していると言えなくもない。
そう考えると、外見至上主義を助長させるから単に外見が良いというだけで恋愛する物語は良くない等と言ったとしても、人はその人にとって美しい思う外見に恋する動物というのが根底にあるのだったら、あまり意味のない議論である。
エマがデクスターの外見によって片想いをし続けたとしても罪深いものではなく、ごく普通の現象で、そこをあまり考えずに物語を進行したとしても、責められるべきものではない。
しかし、上手く表現できないけど、どこか腑に落ちないのも否めない。
愛することで苦悩が始まる
あまり深堀りはしていないけれども、愛する苦悩というのも少しテーマとしては入っている。
デクスターはエマから愛されるばかりでエマを愛しようとしない。デクスターにとっては良き友人で、自分を無条件に慕ってくれる友人の女の子でしかなく、恋愛対象ではない。
しかし、人生の荒波に揉まれてズタボロになったときに思い出したのは、友人関係をキープしてくれていたエマだった。エマの心が自分から離れつつあると知って、パリにいるエマに会いに行くデクスター。
長い付き合いを描くというのは、すれ違いがお定まり。幸せは失ってからわかるという典型。
最後にはエマの願いが叶い二人はお互いを最愛の相手と認識し合う。
とはいえ、二人の長いすれ違い時間において、二人が苦悩したレベルは同じではない。
愛する方、エマの苦悩の方が長くて深かった。デクスターはエマを愛することなく好きなように人生を謳歌して転落した。転落した果てにいつも自分のことを気にかけてくれたエマを思い出しただけである。
エマは詩人として成功してもデクスターを想い続けた。精神的な苦悩の度合いは、エマには到底叶わない。
でも、エマも自ら進んて苦悩することを選択したのである。愛するというのは苦悩とイコールである。そして、愛することを止めるということはできない。愛してしまったら、苦悩が始まる。愛とは無償、見返りを求めていては成立しない。
愛する方が愛される方より苦悩もするし、譲歩もしなければならない。なぜなら、自分が愛しているからと言って相手からも愛されるかどうかは別の話だから。
愛した方が苦悩・苦労するのは必然。本作は、大部分、エマの苦悩を描いているとも言える。
エマの苦悩には、観ていて大いに共感した。
美しいエディンバラ
本作は、エディンバラ大学を卒業した2人という設定である。なので、冒頭、回顧シーン、ラストで度々ゆかりの地エディンバラの旧市街が登場する。
スコットランドはイギリスの一部である。独立国ではない(過去に独立しそうになった)。イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの連合王国の総称である。本来は、ブリテン(=UK)と言わなければならない。
スコットランドには議会もあるし、独自の宗教がある。イギリスの国王はスコットランド国教会のトップではない。スコットランド人はイングランドとは歴然と国が違うという意識を持っており(独立していないけど)、歴史的に複雑な背景を持っている。
エディンバラはスコットランドの首都。旧市街・新市街ともに世界遺産に登録されている。旧市街にエディンバラ大学があり、エディンバラ城もある。旧世界的に有名な芸術のお祭りであるエディンバラ・フェスティバルが毎年開催される。フェスティバル期間中、旧市街のロイヤル・マイルでは演劇・大道芸のお祭り、エジンバラ・フェスティバル・フリンジが開催される。だから、エディンバラに行くなら夏がおすすめ。
エディンバラをロケ地とした映画
- 『シャロウ・グレイブ』(1994) →新市街
- 『トレイン・スポッティング』(1996) →冒頭シーンでユアン・マクレガーがエディンバラの目抜き通りプリンスィズストリートを爆走する
- 『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(2012)→旧市街、アーサーズシート
JK・ローリングがハリーポッターの第1作目を執筆していたカフェであるエレファント・ハウスがあるのもエディンバラ。ショーン・コネリーの生家もエディンバラ中心部にあった。
『ワン・デイ 』のまとめ
- 物語の内容は濃くなく、主演2人のPV的要素が否めない
- とはいえ、あまり深く考えずに恋愛ものとして十分楽しめ、2人の美男美女ぶりは目の保養になる
- 大筋はエマの片想いで、愛する苦悩をし続けるのはエマの方
- エディンバラは多くの映画のロケ地になっているので、ロケ地めぐりとしても最適
『ワン・デイ 』のロケ地情報
エディンバラ エディンバラ大学・旧市街 →冒頭の卒業式後のシーン、デクスターのアパート
エディンバラ アーサーズシート →二人が登る丘
パリ サン・マルタン運河 →二人が再会してキスをする