離ればなれになっても(2020)|Gli anni più bel☆イタリア|ガブリエレ・ムッチーノ 

すてきなドラマ

この記事には広告が含まれます

1982 年ローマ、16 歳のパオロは美少女ジェンマと恋におちる。幼馴染のジュリオとリッカルドと共に青春真っ只中だった。ところがジェンマの母が病死し、ジェンマはナポリの伯母の家に引き取られ、ローマを去った。それから数年、教師、俳優、弁護士と夫々の道へ進む3 人。ジェンマは町の不良と同棲し、パオロのことはすっかり忘れて荒れた生活を送っていた。

mm
mm

くっついたり離れたりと何か凄く濃い内容なのにテンポが良く、あっという間に時間が経ったという印象です。本国イタリアでは大ヒット!ぜひ観て見てください☆彡

原題Gli anni più belli
公開2020
ジャンルドラマ
監督ガブリエレ・ムッチーノ
出演キム・ロッシ・ステュアート、ミカエラ・ラマツォッティ、
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
mm
mm

以下の動画配信サービス・レンタルサービスで視聴できますよ。ぜひ、お試しください☆

サービス名サービス本作の
利用状況
無料お試し期間費用
Amazon Prime Video配信30日間 
※但し有料作品あり
月額600円
年間5,900円
U-NEXT配信31日間
※但し有料作品あり
月額2,189円
ザ・シネマメンバーズ配信×7日間月額880円
TSUTAYA DISCAS宅配DVDレンタル30日間or14日間定額8プラン:月額2,052円
定額4プラン:月額1,026円
YouTube配信
購入 or レンタル
なし購入:HD画質/2000円、SD画質/1500円
レンタル:HD画質/300円
※詳細はYouTube参照
※2024年4月時点の情報です。情報には変更がある場合がありますので、必ず各サイトをご確認ください。

以下は本作に対するmmの感想と考察です、ネタバレが含まれますのでご注意ください

同じ学校だった男女4人(男3、女1)の10代から50代の人生を描く40年。鳩を愛する純真な文学青年・パオロが美少女ジェンマに出会い、恋に落ちる所から物語は始まる。

程なく、ジェンマは母親が病死したことによりナポリの伯母の家に引き取られ、ローマから離れなければならなくなった。パオロとジェンマは運命によって引き裂かれる。

物語はこの二人のラブストーリーが主軸ではある。しかし、それだけではない。二人のラブストーリーだけでも壮大であるのに、きちんと他の人の人生も出会いから、出産、離婚等を追いかけて、詰め込んである。

幼馴染4人の人生をぎゅぎゅっと濃縮した内容となっているので驚いた。内容は濃いものの、テンポも速く、それ程重たくない作りになっている。

前半はジェンマの恋愛遍歴が物語の中心だ。

ジェンマは10代でパオロと泣く泣く離れたにも関わらず、ワリとアッサリパオロのことは忘れ、ナポリで有名な不良の女として荒れた生活に。暫くしてローマに行った際にパオロと再会したジェンマ。やはり忘れられないと、再びパオロの元に。これで一件落着と思いきや、ジェンマは同じ幼馴染で弁護士のジュリオに乗り換え。しかし、ジュリオは弁護士として成功したところで、ジェンマを捨てて富豪の娘と結婚。

パオロは中年までにジェンマと時を隔てて2回恋愛しているが、何れもフラれるという結果に。ジェンマに振り回された哀れなパオロ。若いジェンマがパオロの良さを本当の意味で理解するには教養が足りなかった。

ジェンマとジュリオが二人してパオロに別れを告げる場面のパオロの心中は惨め極まりない。でも、パオロはジェンマに縋りつくわけでもなく、ジュリオを罵るわけでもない。

恋人に酷い目に遭わされたパオロであるが、パオロは精神修行が十分できていたようだ。彼は、ジェンマに何回フラれようが、精神を病むことなく臨時教員から正教員になるという夢を見失わず、遂には高校の正教員の職に就く。恐らくこの時既に40代~50代であったのではないか。

ジェンマは付き合う男をとっかえひっかえし、取り立てて人生の目標を立てないタイプだ。ジュリオは弁護士として成功するにつれ、富の方に流れていき、簡単にポリシーを捨ててしまった。

一見、パオロが貧乏くじを引かされたようにも見えるが、物語は最後、50代のパオロに華を持たせる。

イタリア人と言えば恋愛に奔放で陽気で自由なイメージがあるが、パオロはそのステレオタイプなイタリア人にはおよそ当てはまらない。監督は、決して目立つことなく、独身中年となって孤独に生きるパオロに、よりシンパシーを持っていたのではないかと思われる。

前半はすっかり品が無くなったジェンマの男遍歴を中心とする物語であったが、後半は中年になった男3人の夫々の人生をよりフォーカスする。

俳優等をしながら活動するリッカルドは、結婚、出産、離婚を経て、政治活動をするも落選し、現在無職。弁護士のジュリオは富豪の娘と結婚し、娘を儲けるも、妻に浮気をされている。パオロは漸く正規の高校教員になったけれども、人生のパートナーには出会えていない。

そんなパオロの人生に再びジェンマが舞い戻る。二人は余程縁がある。というか、二人の心の片隅にお互いのことが忘れられないという共通の気持ちがあると、人生のどこかで再会するものである。

50代のジェンマはもう男に頼って生きていなかった。どこかの時点で息子を儲けたものの、自分の店を持ってビジネスをしている。トレードマークだった金髪の長い髪が短くなって、アクが抜けたようにアカ抜けていた。

それなりの経験をして自立したジェンマにとって、パオロは再び輝く存在に映ったようだ。パオロは昔から変わっていない。変わったとしたら、自分のポリシーに磨きがかかり、人生経験を経てより自信を手に入れたように見える。

パオロとジェンマのカップルの遍歴を見ていると、ジェンマがパオロを再認識するのに40年かかったという感じさえする。ジェンマには数々の経験を経ないとパオロが一番良いということに気付かなかったということなのだろう。

にしても、ジュリオに捨てられたジェンマのその後を物語は追いかけない。そこから50代になったパオロとの再会までジェンマがどんな風に生きていたかは明らかにされず、突如息子と共に登場する。前半であれほどジェンマのくっついたり離れたりを描いていたので、中年以降のジェンマをつぶさに「描かない」という手法は返って新鮮だった。再び登場した彼女の変化した雰囲気や吹っ切れた表情から、自分の人生を生きているんだなと観客に推測させることができて、非常に上手いやり方である。

40年もの歳月が経ってしまうと、かつての友人に「カス野郎!」と捨て台詞を吐いたこともすっかり忘れて歓談するというのは、どうかな~と思った。

幼馴染だからか、そこまでお互い憎しみ合うことなく、お互いの過ちを許している。何とも大らかな男女4人である(多少の雑な描写は否めない)。

とはいえ、2度もフラれて地獄に突き落とされたパオロが再びジェンマのを受け入れたということが、観ていて何よりハッピーだった。

  • 10代から50代まで、幼馴染男女4人の人生をぎゅぎゅっと濃縮した内容
  • 内容は濃いものの、テンポも速く、それ程重たくない作り
  • 中心となるのはパオロとジェンマのラブストーリー
  • 2度フラれて友人にも裏切られても精神を病むことなく夢を諦めないパオロという人は素晴らしい
error: Content is protected !!