ピザ 死霊館へのデリバリー(2012)|Pizza☆インド|ヴィジャイ・セードゥパティ|レミヤ・ナンビーサン

すてきなホラー・スリラー・ミステリー

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「ピザの配達員をピンポイントで恐怖に陥れるホラー」という何とも独特な視点で描かれた異色のインドホラー映画『ピザ 死霊館へのデリバリー』。

インドでは大ヒットし、その後『Pizza II: Villa』(2013)、『Pizza3: The Mummy』(2023)が製作されてます。ホラー映画としての期待を裏切るような、とっても意外性のある作品でした!一般的なホラー映画の期待を超え、驚くべき大大大どんでん返しを提供してくれますよ☆彡

とあるインドの町にあるピザ店に勤めるマイケルは、大学生の恋人アヌと同棲中。ホラー小説家を目指すアヌと一緒に幽霊ビデオをを見るが、マイケル自身は怪奇現象にはイマイチ興味がない。そうこうしているうちにアヌが妊娠し、結婚。生活を安定させるためピザ店での労働に精を出す。ある夜、富豪の館へピザの配達を行ったマイケル。館の奥さんからピザ代金のお釣りをもらうため、暫く居間で待つ。しかし、お釣りを別の部屋に取りに行ったはずの奥さんは戻ってこない。奥さんの様子を伺いに館をウロウロすると、奥さんの遺体を発見。慌てて館から脱出を試みるも、玄関のドアが開かない・・・。

出典:Think Music India|Pizza Theatrical Trailer

原題Pizza
公開2012
ジャンルホラー
監督Karthik Subbaraj
出演ヴィジャイ・セードゥパティ、レミヤ・ナンビーサン

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残念ながら、現在、利用できる動画配信サービス・レンタルサービスはありませんでした。ケーブルテレビ「ムービープラス」では、2024年8月に放映していました☆

サービス名サービス本作の
利用状況
無料お試し期間費用
Amazon Prime Video配信×30日間 
※但し有料作品あり
月額600円
年間5,900円
U-NEXT配信×31日間
※但し有料作品あり
月額2,189円
ザ・シネマメンバーズ配信×7日間月額880円
TSUTAYA DISCAS宅配DVDレンタル×30日間or14日間定額8プラン:月額2,052円
定額4プラン:月額1,026円
YouTube配信
購入 or レンタル
×なし購入:HD画質/2000円、SD画質/1500円
レンタル:HD画質/300円
※詳細はYouTube参照
※2024年7月時点の情報です。情報には変更がある場合がありますので、必ず各サイトをご確認ください。

以下は本作に対するmmの感想と考察です、ネタバレが含まれますのでご注意ください

やっぱり、インドは一筋縄ではいかない。映画も然り。この映画を観て、益々インド人の底力を感じずにはいられないという人が続出するだろう。

この映画をひと言で言うと、「展開が急すぎ」。これから観る方は、一瞬見逃すと話が追えず、置いてけぼりになる箇所があるので要注意。

しかし、その急展開は寧ろ新鮮だった。お見事と言えよう。こんな展開、どの映画にもなかった。

普通なら常識が邪魔して、「こんな展開おかしすぎる!」となって、企画会議で即効却下されそうな脚本がきちんと作品となって世に出て、極東の私たちまで観ることができている所が、凄い。ある意味感慨深い。

ラストまで観ないと、この映画の凄さは解らないので、ぜひぜひご覧いただきたい。

ジャンル分けも難しい。大枠ではホラーだけれども、ラストまで観たら、「?」となる。

インド映画では、コメディとかホラーとか、いくら解説でそう謳われていても、どうやら物語を通じてそのジャンルを貫くということはなさそうだ・・・。

同じくヴィジャイ・セードゥパティ主演の『途中のページが抜けている|Naduvula Konjam Pakkatha Kaanom』を先に観ていたので、ホラーと言っても、ゆる~い感じでBGM的に気楽に観ることができるだろうと想像していたが、全然違った。若干、舐めていたので反省。

『ピザ 死霊館へのデリバリー』。

邦題のサブタイトルはB級感タップリ。「ピザ」と「死霊館」の組み合わせは、どう考えてもふざけている。日本の配給会社の「面白い映画が観たい人、みてね!」というメッセージだ。特に「死霊館」っていうワードに。「ホラーに振り切れていないところもあるかもしれないけど、そこはご愛敬」と言わんばかり。寧ろ、そういうちょっぴりダメな感じもする感じがいっそうワクワクをそそる。

そして予想は当たった。

映画開始から40分くらいは、全くホラー色ゼロ。TVで幽霊ビデオを見たり、謎のエクソシスト(重厚感ゼロ!)が登場して、ピザ店オーナー娘の悪魔祓いの立会いような現場があったり、オカルトチックな話題がある。けれども、物語は全くホラーの方向に話が進まない。

謎のエクソシストがピザ店に現れた時のマイケルのトンチンカンな会話が印象的だった。

さらに、アヌが妊娠して結婚するというくだりになる。すると、マイケルとアヌのラブラブなプロモーションビデオが流れる。

長い。このくだり必要?ホラーっていう話はどこに行った?頭の中で、「?」だらけになる。

冒頭は、マイケルの日常生活にフォーカスしていて、ホラー映画としての期待を完全に裏切るものばかり。しかし、ラストを知って後から考えると、これらの全く関係のないシーンは、観客を意図的にホラーの世界から引き離し、中盤から来る急展開へ向けたウォーミングアップだったのかもしれない。

なお、映画の雰囲気が『途中のページが抜けている|Naduvula Konjam Pakkatha Kaanom』と全く同じなのはなぜなのかな。主演は同じだけど、他の出演者や監督は違うというのに。

登場人物がタバコを吸うシーンでは、「タバコは死に至る」表示が出るのも『途中のページが抜けている|Naduvula Konjam Pakkatha Kaanom』と全く同じ取扱だけれども、その頻度が少なかったし、表示がこの映画の方が小さかった。

『PIZZA 死霊館へのデリバリー』の最大の見どころは、大どんでん返し。

映画の中盤、確かにホラーパートが存在した。マイケルが富豪の館にピザを配達するがそこがサブタイトルにある「死霊館」というわけである。

「死霊館」というからには、最初っからお化け屋敷の雰囲気が満載なのかと思っていたら、そうではない。単にお金持ちの大きな家だ。だから、マイケルが行った先が「死霊館」なのかどうか直ぐには解らず、奥さんがピザ代金のお釣りを持って来ないという流れから急にホラーな展開が始まるので、観ている方も、「あ、ここからがホラーって、展開が急過ぎ!」という感覚は否めない。だって、それまで一切ホラーの予兆がなかったから。

ホラーパートは富豪の家という密室というシンプルな場所が舞台。登場人物もマイケルと奥さんと旦那さんと子供の4人だけ。といっても、ほぼ、遺体となった奥さんを発見したマイケルが恐怖に怯え、館をウロウロし、半狂乱になって電話で助けを訴えたり。その所々にお化けとなった奥さん等がマイケルを脅かしに登場するだけである。

とはいえ、漸くしっかりホラー映画となった。お化けとなった奥さんが突如マイケルの隣に出現するのは、まぁまぁ怖い。

しかし、クスっと笑えるポイントも用意。テーブルにある配達して来たピザが、ある時は数ピース食べられていたり、また違う時は、全く食べられていなかったりする小ネタを挟んでいる所が笑えた。「ピザ配達員を恐怖に陥れる館」だから、ピザにまつわる恐怖がきちんと仕込まれている。

最初のパートと雰囲気が違い過ぎて、逆に、最初のパートは一体?と思いながら観る。そして、ここから話が全く読めなくなった。

お化けとの戦いが長く続くのかと思いきや、突如、警官が館にやってくる。すると館は突然、工事現場のような内装にガラッと変わる。それまでついていなかった電気が点き、家具も一切なく、「立入禁止」のバリケードテープが張り巡らされている。

警官に恐怖の出来事を話すも全く信じてくれない。お化けにやられている最中に館の固定電話で話した恋人アヌに電話を架けたいと訴えると、「アヌという人はいない」と言われる。

お化けとの死闘(?)の末、マイイケルは何とか館から脱出する。放心状態になりならも、その恐怖の出来事をピザ店に訴える。マイケルの変わりっぷりを見て、ピザ店の人々も半信半疑ながらもマイケルを介抱する。

不思議な展開だな~と思ったのは、マイケルの恐怖体験がメインの話かと思いきや、途中ぽっと出て来た「アヌ不存在」の件もしっかりと後半のパートで引っ張っていること。

何で、イキナリ「アヌ不存在」とかいう展開に?だってアヌは前半でめちゃくちゃ登場していたじゃない・・・。こうなると、観客は「アヌがいないということは、同棲も妊娠も結婚もマイケルの妄想?」という方向へ勝手に展開してしまう。

もはや、ホラーが死霊館だけの話ではなく、「マイケル自体がホラー」ってこと?となって、益々展開が読めない!

そして、ここから更に大きな大きな大どんでん返しがある。。。

ここまで書いてきたものの、この映画を堪能してもらいたいので、これ以上は完全にネタバレになるのでやめておく。

ラストの大どんでん返しは誰しもが予測不可能。観客を完全に驚かせること間違いなし。最初のまったりしたパートや、アヌ不存在説が出てからの観客の脳内予想等、全て想定した上で仕込まれている。

ホラーの枠に収まらない、非常に新しい映画だった。

  • インド人の底力を感じずにはいられない作品
  • 最初の方はホラー色ゼロだが、途中からしっかりホラーとなる
  • まったりした中にも急展開があるので要注意
  • ラストの大どんでん返しは誰しも予測不能かつ新鮮

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