ロッキー・ホラー・ショー(1976)|The Rocky Horror Picture Show☆UK|ジム・シャーマン|ティム・カリー

すてきなコメディ
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今や伝説のロックミュージカルです。70年代の作品にもかかわらず、2024年時点でもロンドンのプリンスチャールズ・シネマでは観客参加型上映会「Sing–a Long-a (歌って踊って)」のラインナップに入っているほど、いつまでも大人気の現役感たっぷりのとっても楽しい作品です。日本でも日本人キャストで頻繁にミュージカル化されていますよ☆

若いカップルが道に迷い、立ち寄った古城。そこでは、謎のパーティが繰り広げられていた。気味の悪い使用人に連れられて大広間に行くと、ゲスト達が宴の真っ最中。そこへ登場したのは古城の主人であるフランクン・フルター博士。真っ黒なボンデージ衣装に身を包んで登場し、ゲスト達のボルテージも最高潮。奇妙な歌で踊る狂う異様な光景に若い二人は一刻も早く立ち去りたいと願うも・・・。

出典元:20th Century Studios/Official Trailer

原題The Rocky Horror Picture Show
公開1976
ジャンルミュージカル
監督ジム・シャーマン
キャストティム・カリー、リチャード・オブライエン
スーザン・サランドン、ミートローフ
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サービス名サービス本作の
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以下は本作に対するmmの感想と考察です

『ロッキー・ホラー・ショー/The Rocky Horror Picture Show』は、映画史上最も独創的で斬新な作品の一つとして、カルト映画ファンの心を捉えて離さない。この作品は、1975年にリリースされたが、未だにそのカルト的な魅力が色あせることはない。

元々舞台の作品の映画化。タイトルにホラーが含まれているが、ジャンルはSFミュージカルコメディである。

と言っても、『死霊の盆踊り/Orgy of the Dead』(1965)ほどディープなサブカル的世界観でもない。たいへん視聴者にやさしい、見やすいサブカル、サブカルの入門編のような作品だと思う。ディープ過ぎないさじ加減が絶妙で好きである。その辺りの行き過ぎないサブカル度合いも成功した秘訣であろう。

しかし、地上波のゴールデンタイムで観ることができるようなドラマや映画の世界観とは全く異なる。世界観が理解できない人にとっては、何が面白いのかサッパリとなってしまう作品だろう。ナンセンスやユーモアが少しでも好きなら、是非トライしてほしい。

本作のミュージカルナンバーは優れている。サウンドトラックは、そのカルト的なステータスを支える重要な要素の一つである。キャッチーでメロディアスな楽曲は、耳に残りやすく、観客を映画の世界に引き込む。特に「Time Warp」や「Touch-a, Touch-a, Touch-a, Touch Me」などの楽曲は、観客が一緒に歌い踊りたくなるような魅力を持っている。

個人的には宴に乱入した太っちょのロッックンロールボーイ・ミート・ローフ(役名はエディ)が「Hot Patootie Bless My Soul Scene」を熱唱するシーンが大好きである。ジーパンがパンパンになるほどしっかり太っていて、バイクに乗ってキメにキメてくる。歌手であるので抜群に歌が上手くてハイトーンな歌声が心地よい。しかし、エディの登場が全然面白くないフランクン・フルター博士にオノでアッサリ殺されてしまう(エディを殺害した後、皆の前に帰ってきて恥ずかしそうにする博士の演技がおかしすぎる。何で新妻が初めての料理に失敗したみたな仕草をするんだろう笑)。

本作の主人公ティム・カリーが未だにミック・ジャガーと被ってしまうのは私だけだろうか。

若い頃のミック・ジャガーは今よりももっとギョロ目で、タラコ唇で大きな口だったし、冒頭の唇だけ出てくるシーンもローリングストーンズと勝手に重なっていた。本作をはっきりと観るまで、何となくミック・ジャガーが主人公を演じている作品と思い込んでいた。

ティム・カリーは他の作品にも沢山出演しているけれども、やっぱり本作が一番のハマリ役だった。ティム・カリー演じるフランクン・フルター博士は、まさに個性の塊。彼のキャラクターはエキセントリックでありながらも魅力的で、その演技は驚くほどの才能を示している。

おばさんパーマなのに化粧映え抜群で、黒のセクシーボンデージファッションでキメている。要所要所でキメ顏にキメポーズをして、ギャラリーをウットリさせていると思いきや、人を小馬鹿にしたようなおちょぼ口をしたりして、サイコーである。

博士の登場シーンは、まさに圧倒的な存在感。彼の傲慢で挑発的な笑みは、観客を引き込み、彼の狂気に魅了する。特に彼がソロで歌う「Sweet Transvestite」のシーンでは、彼の魅力が最大限に発揮され、観客は彼の虜になる。本作におけるティム・カリーの演技力は、フランクン・フルター博士のキャラクターに深みを与え、強烈な印象を残した。

スーザン・サランドンは当時20歳くらいだったのではないか。いつも思うけれども、若くしてこういう物語の構成がハチャメチャな、理解に苦しむ世界観の作品によく出演することができるなと感心する。私自身が20歳前後でこんな前衛的な作品のオファーが来たとして、出演を快諾できる程理解力があっただろうか。スーザン・サランドンは「何か面白そうだったから」とか言ってオファーを引き受けたのかもしれないが、そういう軽さも私には備わっていなかったと思う。だから、今やカルトとして価値が高められているから良いものの、当時はそれこそカルトだったので、周囲の理解もそれ程ない状況でオファーを引き受けたり、心地よく制作に関与するスタッフ等、本当に頭が柔軟で素晴らしいと思う。どうしても価値が固まったものを鑑賞しがちだから。

実は、薄気味悪い執事役のリチャード・オブライエンが本作の原案を作り、脚本を手掛けた作品である。てっぺんがハゲていて左右がロングヘアという奇抜なルックス。背中を曲げて両手を上下に上げ下げしてシャウトして歌うシーンはフランクン・フルター博士が登場する前の前座としてサイコーに盛り上がる。

2003年、ロンドンのレスタースクウェアにある、「プリンス・チャールズ・シネマ」というふざけた名前の映画館で本作を鑑賞した。この映画館は過去の作品を主に上映する映画館である。

本作は、2003年当時、同映画館が定期的に行っている恒例イベント(現在も実施しているかどうかは不明)“Sing-a-Long-a(一緒に歌って踊って鑑賞しよう!)”シリーズの一つの上映作品だった。他の一般の映画の鑑賞チケットは4ポンドくらいで鑑賞できるのに(時間帯によって金額が異なり、夜の時間帯になると高額になる)、このシリーズはイキナリ高額で24ポンドもした。というのも小道具付きだからである。小道具は何に使用するかというと、劇中に映画のキャラクターと一緒に歌って踊る、そしてパフォーマンスをする為である。

本作の小道具は、「ゴム手袋」。ティム・カリーがスーザン・サランドンに向かって“アン・・・ティシ・・・ペイション!”と言うシーンでのティム・カリーの仕草“ゴム手袋を噛みながら引っ張る”をお客さんも一緒に行うのである。

24ポンドもするのに、お客さんは満席である。映画が開始される前に、恒例の仮装コンテストがある。劇中の人物に仮装して来ているお客さんが沢山いるのである。司会者もきちんといて、仮装者は舞台にあがって一列に並べられ、優勝者を決めてから上映に入るという構成だった。

なんと、プリンス・チャールズ・シネマでは、2024年4月時点でも“Sing-a-Long-a”形式で上映されている。ロンドンを訪れる機会がある際は、ぜひ体験してほしい。日本でも仮装コンテスト形式のロッキー・ホラー・ショーを上映していたようであるが、規模感と楽しさでプリンス・チャールズ・シネマの方に軍配が上がるであろう。

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「プリンス・チャールズ・シネマ」の仮装コンテストの様子は、以下の記事で詳しく書いてみました。こちらを参照ください☆

10年くらい前に古田新太がフランクンフルター博士の役で上演されているのを大阪で鑑賞した。大ファンのROLLYも出演していたが、もっと前はROLLYが博士の役をしていたそうだ。2022年にも古田新太で上演されているので日本でも大人気ミュージカルである。

  • 映画史上最も独創的で斬新なミュージカル・コメディ
  • ティム・カリー演じるエキセントリックなフランクン・フルター博士はまさに個性の塊でハマリ役
  • 劇中、「Time Warp」や「Touch-a, Touch-a, Touch-a, Touch Me」などの楽曲は、観客が一緒に歌い踊りたくなるようなナンバー多数
  • 現在でも、ロンドンを初め世界各地で観客参加型の上映会が開催される程の大人気作品
  • ロンドンの「プリンス・チャールズ・シネマ」の上映会の小道具はゴム手袋
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