4/18~19 アンリアル過ぎるラッセル・クロウとホアキン・フェニックス

すてきなアクション

4月18日

ここでは、好み的に長々と感想等は書けないけど、最近観た映画で言いたいことがあるものをピックアップしてご紹介。

ケーブルテレビでラッセル・クロウ主演の『スリーデイズ/The Next Three Days』(2010)を観賞。本作は、ヴァンサン・ランドン主演のフランス映画『すべてを彼女のために』のリメイクである。

大学教授である夫(ラッセル・クロウ)が、無実の罪で投獄され生きる気力を喪失し獄中自殺を図った妻(エリザベス・バンクス)を脱獄させるアクション映画。

元CIAでもない、全くのど素人が脱獄のプロ(リーアム・ニーソン)からレクチャーを受けて脱獄計画を練り実行する、アンリアル満載の内容。

妻を守るというカッコイイヒーロー役のラッセル・クロウが、ぽっちゃりしている時点からしてアンリアル。

妻を脱獄させ一緒に街中を逃亡する夫婦が、追っ手(警察)を巧みに巻くシーンがあるが、これがアメリカ映画でよくある、日曜日の市民デモ行進に紛れるというシーン。本当にアメリカ映画では、追いかける方と逃げる方が、車道を歩くデモ行進の団体によく遭遇する。そして、逃げる方はデモの集団に入って速度を落としてうつむき加減で歩いて、追っ手をかく乱する。

これがコメディ映画の場合は、遭遇するのはシスターのデモ行進で、逃亡者はシスターに扮して紛れ込む。このようなシーンが映画で挟まれると言うのは、もしかして、デモ行進をしている人たちを揶揄しているのだろうか。

この映画で最も面白い(印象深い?)シーンは、妻が走っている車のドアを開けて体を車から乗り出して、自殺を図るシーンである。夫婦が車で逃げている最中、小学生の息子も連れて一家で逃亡するため離れた人に預けている息子をピックアップしに行きたいが、逃亡に使う飛行機の時間に間に合わないからとりあえず夫婦だけで逃げて、息子は後で連れに来ようという夫が言った所、妻は突如車のドアを開けて自殺を図ろうとする。

妻は、息子のいない人生は考えられない、今息子を連れて行かないのであれば今ここで死ぬという無言の抵抗を表現したのである。夫は、車から身を乗り出した妻を片手で引っ張り、かつ、トラックとぶつかりそうになりながらも車が3回転クルクル回って止まる。これが大爆笑してしまった。ド素人の大学教授にこんなアクション出来るわけもない。それに、妻も、突如自殺を図ろうとせず、夫婦なんだから、直ぐ隣にいる夫に口頭で言えばいいじゃない!と。このアクションは大袈裟過ぎて笑ってしまう。元映画のフランス版も、こんなにアンリアルなしーんがあったのだろうか。

なお、元映画で主演のヴァンサン・ランドンと言えば、コリーヌ・セロー監督の『女と男の危機 La Crise』(1992)が面白かった。大学時代、新聞の民放TV欄を見ては、毎日深夜映画を観ていた時期があって、予備知識もなく観賞。ヴァンサン・ランドンもまだ若かった。ある日、突如会社から解雇され、妻には家出され。幸福に暮らしていたはずが、一気に災難が降りかかった男の騒動を描いたコメディ。今となっては観るのが難しくなってしまっている。もし、本作をどこかで発見されたら、おすすめです。

4月19日

ホアキン・フェニックス主演『her/世界でひとつの彼女』(2013)を観賞。人間とコンピューターとの恋愛を描いた異色SF作品。こちらも上記のラッセル・クロウとは別の意味でアンリアル過ぎ。

しかし、舞台は近未来という設定であるものの全くSFしていない。今より人工知能が発達していること以外は、全く現在と同じビルやオフィス、マンションの風景。

この映画のホアキン・フェニックスは非常に傷つきやすい男だ。職業も変わっていて、誰かの代筆で手紙を書く仕事をしている。非常に文系な身なりとソフトな雰囲気で、イカツイ所は一切なし。そういえば、顔の目鼻立ちが極めて濃く、およそ繊細な印象を受けないホアキン・フェニックスだけれども、結構色々な作品で繊細な男を演じている。

この映画は、次にどういう展開になるのか確かに予測不能ではあり、観ていてある程度面白かったものの、感想らしい感想があまりないのが正直な所である。

今よりも技術が進んでAIももっと発展しても、生身の人間を避けて機械と恋愛することもあり得る世界なのかもしれない、ただし、そういう世界があったとしても、想像ができない。ふーんという感じ以上のものが心に浮かんでこなかった。アニメのキャラクターの初音ミクと結婚式を挙げた人もおられるので、そういう世界になったらあり得ることなのかもしれないけれども。

因みに、AIの声はスカーレット・ヨハンソン。声だけの出演である。

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